「名古屋でお店を開きたいけれど、開業資金が足りない」
「飲食店や美容室を開業するときに使える補助金はある?」
「店舗の内装工事や設備の購入にも補助金を使えるの?」
名古屋市内で店舗開業を考えている方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
飲食店や美容室、ネイルサロン、小売店などを開業するには、物件の取得費用、内装工事費、設備費、広告宣伝費など、さまざまな費用が必要です。
こうした費用の負担を軽減する方法の一つが、国や自治体の補助金・助成金制度を活用することです。
ただし、補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。また、開業費用のすべてが補助対象になるわけでもありません。
この記事では、2026年10月21日時点の公的情報をもとに、名古屋で店舗を開業する際に確認したい主な支援制度について、対象者・補助金額・申請時期・注意点をわかりやすく解説します。
1. 名古屋の店舗開業で確認したい補助金・助成金一覧
名古屋市で店舗を開業する際には、名古屋市独自の制度だけでなく、愛知県や国の支援制度も確認しましょう。
代表的な制度は次のとおりです。
| 制度名 | 補助上限額など | 主な対象 |
|---|---|---|
| 名古屋市スタートアップ企業支援補助金(通常枠) | 最大100万円 | 名古屋市内で新たに創業する方など |
| あいちスタートアップ創業支援事業費補助金 | 最大200万円 | 新技術等を活用し、地域課題の解決と高成長を目指す起業家など |
| 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉 | 最大200万円(通常の補助上限) | 創業後間もない小規模事業者等による販路開拓 |
| 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉 | 通常枠50万円(特例による上乗せあり) | 小規模事業者の販路開拓等 |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 申請枠・類型による | 対象ITツール等を導入する中小企業・小規模事業者 |
※金額・条件は2026年度の制度に基づくものです。募集時期や公募回によって変更される場合があります。
※補助上限額は、申請者が必ず受け取れる金額ではありません。
それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。
2. 名古屋市スタートアップ企業支援補助金
名古屋市で開業するなら最初に確認したい制度
名古屋市スタートアップ企業支援補助金は、名古屋市内で新たに創業する方や、創業後5年以内の中小企業者などを対象に、創業に必要な経費の一部を補助する制度です。
2026年度の通常枠では、以下の条件が設定されていました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 名古屋市 |
| 補助上限額 | 100万円 |
| 補助率 | 原則3分の1以内 |
| 主な対象者 | 名古屋市内で新たに創業する方、創業後5年以内の市内中小企業者など |
| 2026年度募集期間 | 5月1日〜6月1日 |
| 現在の募集状況 | 2026年度の募集は終了 |
一定の会員登録要件を満たす場合には、補助率が2分の1以内となる仕組みも設けられていました。
どのような費用が補助対象になる?
2026年度の制度では、条件を満たす次のような費用が対象経費として挙げられています。
- 新たに開設する店舗の賃料、共益費、仲介手数料
- 店舗の内装・外装工事費
- 機械装置や備品などの購入・リース費用
- 広告宣伝費
- 外部業者への委託費
- 専門家への謝金
例えば、名古屋市内でカフェや美容室を開業する場合、内装工事や設備導入、開業前の広告宣伝などが対象になる可能性があります。
ただし、パソコンやタブレットなど、一部対象外となる備品もあります。費用の種類だけで判断せず、公募要領の細かな条件を確認することが必要です。
100万円の補助金が受けられるケース
仮に、補助対象となる経費が300万円あり、原則の補助率3分の1が適用される場合、計算上の補助額は100万円です。
- 補助対象経費:300万円
- 補助率:3分の1
- 補助額:100万円
- 実質的な自己負担:200万円
これは制度を説明するための計算例です。実際の補助額は審査や対象経費の確認によって決定されます。
また、店舗開業の初期費用を全額補助金で賄えるわけではありません。
2027年度以降の募集にも注目
2026年度の通常枠は募集を終了しています。
今後開業を予定している方は、次年度以降に同様の制度が実施されるか、名古屋市公式サイトで確認しておきましょう。
公式情報: 名古屋市|スタートアップ企業支援補助金
3. あいちスタートアップ創業支援事業費補助金(起業支援金)
最大200万円の補助を受けられる可能性
愛知県では、県内での起業や新たな事業創出を支援するため、「あいちスタートアップ創業支援事業費補助金(起業支援金)」を実施しています。
2026年度の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 愛知県 |
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 2分の1以内 |
| 主な対象 | 新技術等を活用して地域課題の解決と高成長を目指す事業 |
| 2026年度募集期間 | 6月1日〜6月30日 |
| 現在の募集状況 | 2026年度の募集は終了 |
2026年度は103件の応募に対して33件の交付先が決定しています。
一般的な飲食店や美容室でも対象になる?
この制度で特に注意したいのが、対象となる事業の条件です。
愛知県は、新しい技術等を活用した地域課題の解決と、新市場の開拓・高成長を目指す事業を対象としています。
そのため、単にカフェ、美容室、小売店などを新規開業するというだけでは、対象になるとは限りません。
例えば、地域課題を解決するための新しい仕組みや技術を取り入れた事業などでは、制度との適合性を検討できる可能性があります。
ただし、業種名やアイデアだけで判断できるものではなく、事業内容や申請条件を総合的に確認する必要があります。
一般的な店舗開業であれば、まず名古屋市の支援制度や小規模事業者持続化補助金を確認するのがおすすめです。
公式情報: 愛知県|あいちスタートアップ創業支援事業費補助金
4. 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉
開業時の集客や販路開拓に活用したい制度
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営計画に基づいて取り組む販路開拓などを支援する国の制度です。
その中でも創業型は、創業後間もない事業者などを対象としています。
2026年度の第4回公募では、創業後1年以内の小規模事業者等が主な対象となっています。
さらに、特定創業支援等事業による支援を受けたことなど、所定の要件を満たす必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 国 |
| 通常の補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 原則3分の2 |
| 主な用途 | 販路開拓・広告宣伝・関連する設備導入など |
| 第4回申請受付期間 | 2026年11月5日〜12月15日 |
※申請に当たっては、特例の適用可否や申請要件を含め、最新の公募要領を確認してください。
店舗開業ではどのような使い方が考えられる?
例えば、次のような取り組みが考えられます。
- 新しいお店の集客に向けたチラシ制作
- 新規顧客の獲得を目的とするホームページ制作
- 販路開拓に必要な設備・機器の導入
- 集客や売上拡大に向けた店舗改装
ただし、これらは無条件で認められるわけではありません。
ホームページ関連費には独自の制限があるほか、設備費や改装費も販路開拓との関係、経費区分、実施時期などの条件を満たす必要があります。
「開業するから必要な費用」ではなく、「販路開拓に必要で、制度上認められる費用か」という視点が重要です。
特定創業支援等事業とは?
名古屋市では、創業希望者に向けた創業支援セミナーなど、特定創業支援等事業に位置付けられた支援を実施しています。
経営・財務・人材育成・販路開拓などの知識を学び、所定の要件を満たした場合には、名古屋市から証明書の交付を受けられることがあります。
創業型補助金の利用を検討している方は、必要な支援を受ける時期や証明書の取得条件を、申請前に確認しておくことが大切です。
公式情報: 中小企業庁|小規模事業者持続化補助金〈創業型〉
5. 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉
創業型の対象にならない場合でも、開業後の事業状況によっては一般型・通常枠を検討できます。
一般型・通常枠は、小規模事業者の販路開拓や、その取り組みに関連する業務効率化などを支援する制度です。
2026年度第20回公募では、通常の補助上限額は50万円で、所定の特例要件を満たす場合には上乗せがあります。
例えば、開業後に次のような課題を抱える店舗で活用を検討できます。
- 新規顧客を増やしたい
- 店舗の認知度を高めたい
- 商品やサービスの販売方法を改善したい
- 新しい顧客層への販路を開拓したい
ただし、創業型と一般型を自由に重複利用できるわけではありません。過去の採択歴や補助対象経費の重複なども確認が必要です。
公式情報: 中小企業庁|補助金公募情報
開業補助金・助成金も確認しよう
名古屋市内で店舗を開業する場合、条件によっては国・愛知県・名古屋市の補助金を利用できる可能性があります。
補助金の種類や対象となる費用、申請する際の注意点については、以下の記事をご覧ください。
【2026年版】名古屋で店舗開業するときに使える補助金・助成金まとめ
6. デジタル化・AI導入補助金2026
POSレジや会計ソフトを導入する場合に確認したい制度
店舗開業では、レジや会計ソフト、受発注管理システムなどを導入することがあります。
こうしたITツールの導入に関連する制度が、デジタル化・AI導入補助金2026です。
制度には、通常枠やインボイス枠など、複数の申請枠が用意されています。
店舗運営に関連するITツールとしては、次のようなものが考えられます。
- POSレジシステム
- 会計ソフト
- 受発注システム
- 決済関連システム
- 業務管理システム
ただし、購入するソフトウェアや機器が何でも補助対象になるわけではありません。
補助金事務局に登録されたITツールであることや、登録されたIT導入支援事業者を通じて申請することなど、申請枠ごとの条件があります。
また、ハードウェアの購入が認められる範囲も申請枠によって異なります。
開業時にPOSレジや会計ソフトを導入する予定がある方は、契約・購入前に確認してみましょう。
公式情報: 中小企業庁|補助金公募情報
7. 飲食店・美容室・小売店ではどの補助金を確認するべき?
ここまで紹介した制度を、業種別に整理します。
| 開業する業種 | まず確認したい制度 |
|---|---|
| カフェ・飲食店 | 名古屋市スタートアップ企業支援補助金、持続化補助金 |
| 美容室・理容室 | 名古屋市スタートアップ企業支援補助金、持続化補助金 |
| ネイルサロン・エステサロン | 持続化補助金、IT関連の補助金 |
| 雑貨店・小売店 | 持続化補助金、デジタル化・AI導入補助金 |
| 新技術を活用した新規事業 | あいちスタートアップ創業支援事業費補助金など |
※この表は制度を探すための目安です。業種だけで利用可否が決まるものではありません。
例えば、飲食店を開業する場合、内装工事や店舗設備は名古屋市の制度、販路開拓は持続化補助金、ITツール導入はデジタル化・AI導入補助金といった観点から検討できます。
ただし、同じ経費に複数の補助金を重複して充当することは原則として認められません。
8. 補助金を申請する前に知っておきたい5つの注意点
① 補助金は基本的に後払い
多くの補助金は、交付決定後に対象事業を実施し、支払いを終えた後、実績報告や検査を経て補助金が支払われます。
例えば、開業費用として300万円が必要な場合、補助金が100万円交付される見込みであっても、最初から200万円だけ準備すればよいとは限りません。
支払いまでの資金繰りを考えておく必要があります。
② 交付決定前の契約・発注は注意
補助金には、対象となる経費の発生時期について条件があります。
原則として交付決定後の発注・契約が対象となる制度も多く、先に工事を発注したり設備を購入したりすると補助対象外になる可能性があります。
物件契約、内装工事、設備購入などを進める前に、必ず申請条件を確認しましょう。
③ 申請すれば必ず採択されるわけではない
補助金は、応募要件を満たしていても必ず採択されるとは限りません。
事業計画の具体性や実現可能性、制度の目的との適合性などが審査されます。
補助金を受け取れなかった場合でも開業できるよう、資金計画を立てることが大切です。
④ 同じ費用を複数制度で重複申請しない
同一の設備費や工事費などを、複数の補助金で重複して補助対象とすることは、原則として認められません。
複数制度の活用を考える場合は、対象経費の区分や併用条件を事務局に確認しましょう。
⑤ 補助金だけでなく融資も検討する
店舗開業では、補助金だけで必要資金を確保するのは難しいケースがあります。
自己資金のほか、日本政策金融公庫の創業融資や名古屋市の制度融資も選択肢に入れておきましょう。
補助金は原則として返済不要ですが、融資は借入金のため返済が必要です。
補助金と融資の違いを理解したうえで、無理のない資金計画を組み立てることが重要です。
あわせて読みたい|店舗開業に必要な費用はいくら?
補助金を検討する前に、まずは店舗開業にどのくらいの資金が必要なのかを把握しておきましょう。
物件取得費・内装工事費・設備費・運転資金など、開業時に必要なお金については、以下の記事で詳しく解説しています。
9. 名古屋で補助金・創業支援について相談できる窓口
どの補助金が利用できるかわからない場合は、公的な創業相談窓口の活用がおすすめです。
名古屋市新事業支援センター
名古屋市新事業支援センターでは、創業を目指す方や事業者を対象に、経営・事業計画・資金面などの相談に対応しています。
窓口相談は無料の予約制で、中小企業診断士などの専門家に相談できます。
- 電話:052-735-0808
- 受付:平日9:00〜17:00
- 相談:無料・予約制
また、名古屋市の創業支援等事業計画に関する情報も確認しておきましょう。
補助金に関する相談では、開業予定時期、業種、予定している費用、自己資金、事業計画の概要などを整理しておくと、具体的な助言を受けやすくなります。
10. 名古屋の開業補助金に関するよくある質問
Q1. 個人事業主でも補助金を利用できますか?
はい。個人事業主を対象に含む制度もあります。
ただし、開業届の提出時期、創業後の年数、事業内容などの条件は制度ごとに異なります。
Q2. 開業前でも申請できますか?
制度によっては開業前の申請が可能です。
一方、開業届の提出や創業支援の受講などが条件になる制度もあります。開業予定日と募集期間を照らし合わせて確認しましょう。
Q3. 店舗の家賃や内装工事費も対象になりますか?
名古屋市スタートアップ企業支援補助金では、2026年度に一定の店舗賃料や内装・外装工事費が対象経費として設けられていました。
ただし、他の補助金でも同様に対象になるとは限りません。
Q4. 補助金と日本政策金融公庫の融資は併用できますか?
制度上の条件や資金使途を満たせば、補助金と融資を組み合わせた資金調達を検討できます。
ただし、融資を受けられることと補助金に採択されることは別の審査です。
Q5. 補助金は返済する必要がありますか?
一般的に、補助金は適正に利用して要件を満たしている限り、融資のような定期返済は必要ありません。
ただし、虚偽申請、目的外使用、交付条件違反などがあった場合には、返還を求められることがあります。
11. まとめ|名古屋で店舗開業するなら補助金は早めに確認しよう
名古屋で店舗を開業する際には、国・愛知県・名古屋市による複数の支援制度を検討できます。
特に確認したいのは、次の3つです。
名古屋市スタートアップ企業支援補助金
店舗賃料や内装工事費、設備費などが対象になる可能性があります。2026年度の通常枠は最大100万円で、募集は終了しています。
小規模事業者持続化補助金〈創業型〉
創業後間もない小規模事業者等の販路開拓を支援する制度です。2026年度第4回公募の申請受付が予定されています。
デジタル化・AI導入補助金
店舗運営に必要な対象ITツールを導入する場合に、確認したい制度です。
補助金を有効に活用するには、開業準備の早い段階から制度を調べ、申請時期に合わせて事業計画や資金計画を立てることが重要です。
また、補助金を受け取ること自体を目的にするのではなく、開業後も無理なく経営を続けられる資金計画を優先しましょう。
ナゴヤ開業ナビでは、今後も名古屋で店舗開業を目指す方に向けて、開業費用、物件選び、資金調達、許認可、集客方法などの情報を紹介していきます。
※この記事は2026年10月21日時点の公的情報をもとに作成しています。補助金制度の内容、募集期間、補助率、申請条件などは変更される場合があります。申請前には必ず各制度の公式サイトと最新の公募要領をご確認ください。



