店舗を開業したいと思ったとき、多くの人が最初に気になるのが、
「結局、いくら必要なのか?」
という点ではないでしょうか。
店舗開業に必要な費用は、業種・立地・店舗面積・居抜きかスケルトンかによって大きく変わります。
そのため、「カフェなら○万円」「美容室なら○万円」と一律には言えません。
大切なのは、開業費用をひとまとめに考えるのではなく、
物件取得費
+
内装・設備費
+
開業準備費
+
運転資金
に分けて考えることです。
この記事では、名古屋で店舗開業を考えている方に向けて、店舗開業に必要なお金の考え方を初心者向けに整理します。
開業準備全体の流れから確認したい方は、先に「店舗開業の流れを完全解説|準備からオープンまでの7ステップ」もご覧ください。
店舗開業費用は4つに分けて考える
店舗開業に必要なお金は、大きく次の4つに分けられます。
- 物件取得費
- 内装・設備費
- 開業準備費
- 運転資金
店舗を作る費用だけでなく、オープン後に経営を続けるための資金まで準備することが重要です。
特に初めての開業では、
「店を作るためのお金」
に意識が向きがちですが、
「店を続けるためのお金」
まで含めて考える必要があります。
1|物件取得費
店舗物件を借りるときには、毎月の家賃以外にも初期費用がかかります。
代表的なものは次のとおりです。
- 敷金
- 保証金
- 礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 保証会社利用料
- 火災保険料
店舗物件では、住居用賃貸より保証金などが高く設定されていることがあります。
そのため、家賃だけを見て、
「月15万円だから借りられる」
と判断しないようにしましょう。
契約時に必要な総額を確認することが大切です。
物件取得費で確認したいポイント
物件候補が見つかったら、最低限次の項目を確認しましょう。
- 契約時に必要な総額
- 保証金の返還条件
- 解約時の償却
- 更新料
- 原状回復条件
- 契約期間
- 中途解約条件
店舗契約では、退去時の条件も重要です。
契約書の内容を十分確認してから契約するようにしましょう。
2|内装・設備費
店舗開業費用の中でも、大きな割合を占めやすいのが内装・設備費です。
例えば次のような費用があります。
- 床・壁・天井
- 電気工事
- 給排水工事
- ガス工事
- 換気設備
- 空調設備
- 厨房設備
- 照明
- 家具
- カウンター
- トイレ
- 看板
特に飲食店、美容室、サロンなどは設備工事が必要になりやすいため、開業費用も大きくなる傾向があります。
居抜き物件の場合
居抜き物件とは、以前の店舗の内装や設備などが残っている物件です。
既存設備をうまく利用できれば、初期費用を抑えられる可能性があります。
ただし、
- 設備が古い
- レイアウトが合わない
- 修理費が必要
- 不要設備の撤去費がかかる
- 設備の所有権を確認する必要がある
などの注意点があります。
スケルトン物件の場合
スケルトン物件は、内装設備がほとんどない状態から店舗を作ります。
自由度は高くなりますが、
- 内装工事
- 電気工事
- 給排水
- 空調
- 厨房
- トイレ
などを一から整備する必要があるため、費用が大きくなりやすいです。
ポイント
「居抜きだから安い」「スケルトンだから高い」とは限りません。
居抜きでも大規模な修理や設備交換が必要なら、結果的に高額になることがあります。
候補物件ごとに、
そのまま使える設備
と
追加工事が必要な部分
を確認しましょう。
3|開業準備費
意外と金額が積み上がりやすいのが、細かな開業準備費です。
例えば、
- POSレジ
- キャッシュレス端末
- パソコン
- タブレット
- 電話
- インターネット回線
- 食器
- 備品
- 制服
- 消耗品
- 初回仕入れ
- ホームページ
- チラシ
- ショップカード
- 求人広告
- オープン告知
などがあります。
1つ1つは数千円から数万円程度でも、まとめると大きな金額になることがあります。
開業時に全部そろえる必要はない
開業準備費を抑えるためには、
開業日に絶対必要なもの
と
売上が出てから追加できるもの
を分けて考えるとよいでしょう。
例えば、
- 高価な家具
- 装飾品
- 高機能なシステム
- 一部の広告サービス
などは、開業後に追加できる場合があります。
初期投資を抑え、その分を運転資金に残す考え方も重要です。
4|運転資金
店舗開業で特に忘れたくないのが運転資金です。
オープンしたからといって、すぐに売上が安定するとは限りません。
一方で、売上に関係なく、
- 家賃
- 人件費
- 仕入れ
- 水道光熱費
- 通信費
- 広告費
- 借入返済
- 消耗品費
などは発生します。
そのため、
「店を作れるだけの資金」ではなく、「売上が安定するまで経営を続けられる資金」
を準備することが重要です。
運転資金はいくら必要?
必要な金額は、業種や店舗規模によって異なります。
例えば、毎月の固定的な支出が80万円の場合、
- 3か月分:240万円
- 6か月分:480万円
です。
必ず6か月分必要という意味ではありませんが、最低でも、
「売上が想定より少なかった場合に何か月耐えられるか」
は確認しておきたいところです。
店舗開業費用の簡単な試算例
例えば、小規模な店舗を開業すると仮定します。
| 項目 | 金額例 |
|---|---|
| 物件取得費 | 100万円 |
| 内装・設備 | 300万円 |
| 備品・レジ等 | 50万円 |
| 初回仕入れ | 30万円 |
| 広告・求人等 | 20万円 |
| 運転資金 | 200万円 |
| 合計 | 700万円 |
これはあくまで一例です。
実際には、
- 業種
- 広さ
- 家賃
- 内装
- 設備
- 従業員数
- 仕入れ
などによって大きく変わります。
重要なのは、
「一般的な開業費用はいくら?」
だけを見るのではなく、
「自分のお店の場合はいくら必要か?」
を一つずつ計算することです。
開業費用を抑える5つの方法
1|居抜き物件を検討する
既存の内装や設備が利用できれば、初期投資を抑えられる可能性があります。
ただし、設備の状態や修理費まで含めて判断しましょう。
2|優先順位を決める
すべてを開業時に最高仕様にする必要はありません。
営業に必須なものから優先する
ことが重要です。
3|複数業者から見積もりを取る
内装工事や設備購入では、複数の業者から見積もりを取りましょう。
価格だけでなく、
- 工事内容
- 保証
- 実績
- 追加費用
なども比較します。
4|中古設備を検討する
厨房設備、家具、什器などは中古品を利用できる場合があります。
新品と中古を使い分けることで、初期費用を抑えられる可能性があります。
5|融資・支援制度を確認する
自己資金だけでは不足する場合、創業向け融資などを検討できます。
ただし、借りられる金額だけでなく、
毎月返済できる金額
まで考えることが重要です。
開業資金の調達方法も確認しよう
店舗開業に必要な資金を計算したら、不足分をどのように調達するか検討しましょう。
日本政策金融公庫などの創業融資を検討している方
開業時に使える補助金・助成金を探している方
自己資金だけで足りない場合はどうする?
店舗開業では、自己資金と融資を組み合わせるケースもあります。
代表的な選択肢として、
- 日本政策金融公庫
- 自治体の制度融資
- 民間金融機関
- 信用保証協会付き融資
などがあります。
融資を検討する場合は、
- 開業目的
- 経歴
- 自己資金
- 開業費用
- 売上計画
- 利益計画
- 返済計画
などを整理した事業計画が必要になります。
名古屋で利用できる支援制度も確認する
名古屋市には、創業者などを対象とした融資・創業支援制度があります。
制度内容や条件は変更されることがあるため、実際に利用する場合は、名古屋市や金融機関などの最新情報を確認してください。
補助金は「もらえる前提」で考えない
開業時に補助金を探す人も多いですが、注意が必要です。
補助金には、
- 公募期間
- 対象者
- 対象経費
- 審査
- 採択
- 事業実施
- 実績報告
- 支給時期
などの条件があります。
そのため、
「補助金100万円が入るから開業できる」
という資金計画は避けた方が安全です。
注意
基本的には、
補助金がなくても開業できる資金計画を作る
ことをおすすめします。
そのうえで、利用できる補助制度があれば活用するという考え方が安全です。
開業費用の計算でありがちな4つの失敗
1|内装費だけを見てしまう
店舗完成後にも家賃、人件費、仕入れなどが必要です。
運転資金まで含めて考えましょう。
2|予備費を用意していない
工事追加、設備故障、納期遅延などが発生する可能性があります。
想定外の出費に備えて、ある程度の予備資金を残しておきましょう。
3|売上を楽観的に見積もる
開業直後から想定どおりのお客様が来るとは限りません。
売上が計画を下回ったケースも想定して資金計画を作りましょう。
4|固定費を把握していない
家賃だけでなく、
- 人件費
- 通信費
- システム利用料
- リース
- 保険料
- 決済手数料
なども確認します。
店舗開業費用チェックリスト
開業資金を計算するときは、次の項目を確認してみましょう。
- □ 物件取得費を確認した
- □ 内装工事の見積もりを取った
- □ 必要な設備費を計算した
- □ 家具・什器費を確認した
- □ POS・決済費用を確認した
- □ 初回仕入れ額を計算した
- □ 広告費を計算した
- □ 求人費を確認した
- □ 月間固定費を計算した
- □ 運転資金を確保した
- □ 予備費を確保した
- □ 利用できる融資制度を確認した
より詳しく開業準備全体を確認したい方は、当サイトの「開業チェックリスト」もご活用ください。
まとめ|開業費用は「初期費用+運転資金」で考える
店舗開業では、
物件取得費
+
内装・設備費
+
開業準備費
+
運転資金
をセットで考えることが大切です。
特に、店舗を作ることに資金を使いすぎると、オープン後の経営が苦しくなる可能性があります。
まずは、
「いくらで店を作れるか」
ではなく、
「いくらあれば安定して開業できるか」
を基準に資金計画を作りましょう。
開業準備全体の流れについては「店舗開業の流れを完全解説|準備からオープンまでの7ステップ」もあわせてご覧ください。



